仮想通貨投資で「億り人」続出?実際には大損した人も多い仮想通貨。

ブームに乗って仮想通貨に飛びついた人たちに待ち受けていた「あるワナ」とは・・・

そもそも仮想通貨って、何なの?

2017年に入り大きく値段が上がった仮想通貨。

仮想通貨とはインターネット上に存在するプログラムの一種で貨幣としての機能があり、暗号を使って取引できるという特徴を持っています。

代表的な仮想通貨であるビットコインは2017年1月には10万円ほどの価格だったのが2017年7月には30万円、そして2017年12月には史上最高値の210万円に到達しました。

2017年はビットコイン以外の仮想通貨も大きく値段を伸ばし、中には数千倍、数万倍にまで暴騰した銘柄もありました。

このことから、2017年は「仮想通貨元年」とされ、それまで投資をしたことがなかった初心者が仮想通貨取引を始め、テレビやマスコミなどもビットコインを始めとする仮想通貨を番組で取り上げるようになりました。

ブームに飛びついた人たちに襲い掛かった大暴落

テレビ番組で取り上げられたり取引所のコマーシャルがCMで流れるなど、一躍注目の的となった仮想通貨。

テレビやネット上で何倍、何十倍と上がる仮想通貨のニュースを見たひとたちが「我も我も」と仮想通貨投資を始めます。

そして、2018年に入り、仮想通貨の価格はそれまでとは一変、1月17日に大暴落が起こり、大幅に値段が下がってしまいました。

このとき、仮想通貨を始めたばかりの人の多くは利益確定、いわゆる利確をしておらず仮想通貨を現物として保有した状態だったため、まともに暴落の被害を受ける形となり、資産を大きく減らした人たちの阿鼻叫喚の叫びがインターネットの掲示板上に飛び交いました。

仮想通貨のおそろしさ

世の中には仮想通貨以外にも株やFX(為替取引)、商品先物取引、金地金取引(金の売買)など、たくさんの種類の商取引があります。

しかし、仮想通貨はこれら商取引の中でももっとも値上がり幅と値下がり幅が大きく、危険性が高いとされています。

もちろん、儲かるときは株やFXなどほかの取引とは比べものにならないほど価格が上がることもあるため、その点は仮想通貨の大きな魅力です。

しかし、仮想通貨には株取引に存在する「ストップ安」や「ストップ高」(株式市場を安定化させるためにある一定の価格で値上げ、値下げを止めて価格を定めるシステム)が存在せず、上がるときはどこまでも上がり、下がるときは底なしで下がる、というおそろしさを持っているのです。

いちばん儲けたのは誰?

ところで、皆さん今回の仮想通貨投資でいちばん得をしていちばん損をしたのは誰だと思いますか?

答えは、いちばん儲かったのは仮想通貨を販売している販売所や取引システムを提供している取引所です。

仮想通貨の取引所は利用者から数%ずつ手数料を取っており、今回の仮想通貨バブルによって多くの初心者が取引所を利用したことで取引所の運営会社は莫大な手数料を稼いだと言われています。

そして、今回の仮想通貨バブルでいちばん損をしたのはほかならぬ日本人です。
日本人がなぜ仮想通貨で大損したのかについては、次の項でご説明します。

見出し5「日本人は『お金に対する知識が少ない』」

テレビ番組も取り上げるほど盛り上がりを見せた2017年の仮想通貨バブル。

日本人の多くが「お金を稼げるかも」と淡い期待を抱きながら仮想通貨に投資を行い、そして見事に大暴落に遭い、大きく資産を減らしました。

この一方で2017年以前、何年も前から安値の段階でビットコインを始めとする仮想通貨を購入していた中国人は数十億円規模での儲けをだすなど、大儲けした人が続出したとされています。

日本人は学校での学習内容は世界でもトップレベルだと評価されていますが、大人になってからいざお金の問題に直面すると「お金について何も分からずワナにはまってしまう」というパターンが非常に多いです。

たとえば、今回の仮想通貨で言えば、価格が大幅に値上がりしたあと、飛びつくように値段が上がった仮想通貨を多くの日本人が購入しました。

このような「高値になった銘柄に初心者が飛びついて購入する現象」を「イナゴ買い」と呼びます。

わらわらと農作物にたかるイナゴになぞらえた表現です。
日本人は子どものころに「お金に対しての勉強」をする機会がほとんどないため、イナゴ買いと呼ばれる「高値で買って、安値で売る」というおろかな行為を行ってしまうのです。

基本は『安値で買って高値で売る』

株式の世界でもFXの世界でも、先物取引をのぞいて世の中の商取引の基本はすべて「安値で買って高値で売る」が原則です。

今回の仮想通貨バブルでは投資初心者の多くが「高値で買う」ことをしたために、大暴落の影響をモロに受けて資産を大幅に減らす人が続出しました。

大事なことは、商取引を行うときにはできるだけ安い値段で買う努力をして、高値で売り抜ける決断力をそなえておく、という点です。

「みんなが買ってるからこの先も上がるだろう」と高値の銘柄に飛びついて購入してしまうと、今回の大暴落のようにいつ大幅な値下がりに巻き込まれるかわかりません。

「安値で買って高値で売る」

初心者はまずこの点に注意しましょう。

まとめ 投資は決断力・判断力・知識の多さで勝敗が決まる

今回は残念ながら仮想通貨投資で大損した人が続出しましたが、「投資をした人がおろかだった」とはまだ断定できません。

もしかしたらこの先、2018年1月の大暴落前の価格まで仮想通貨の値段が戻るかもしれないからです。

ただし、いずれにしろ商取引で大切なのは「決断する力」「判断力」、そして「知識の多さ」です。

今回資産を大きく減らしてしまった人はこの機会に仮想通貨についての見識を深め、次のビッグウェーブに乗り遅れないよう準備しておくことをおすすめします。

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